子供の歯が折れたときの対処法、抜けた歯の保存法、マウスガードによる歯の保護

歯のケガの対処と予防

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歯のケガが増える時期は?

歯のケガが増えるのは、子供の行動が活発になるころです。よちよち歩きをはじめるころのお子さんは、しっかりと歩くことに慣れていないため、思わぬところで転んでしまうこともあるでしょう。そんなときに顔面をぶつけて歯をケガしてしまうことがあるかもしれません。

歯のケガが増える時期は?また、小・中学校や高校に通うころのお子さんも、体育の授業や部活動などスポーツ活動、自転車での通学途中などに歯のケガをするケースが増えます。学校内でのケガの場合は、学校歯科医や養護教諭で対処することも可能ですが、通学途中やスポーツクラブなど、学校の授業時間外にはお母さんやお子さん自身で対処しなければならないこともあります。しかし、万が一、歯のケガをしたとしても、慌てず速やかに対処できれば、大きな問題にならないことがほとんどです。

成長期で見た歯のケガの原因

  • よちよち歩きのころ    歩行不安定による転倒
  • 幼稚園〜小学校     ブランコ、滑り台などからの転落、友だちとのふざけあいによる転倒
  • 中学生〜高校生     自転車による転倒、スポーツなど課外活動

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歯をケガした場合の対処

ケガをしてしまったら、その歯や唇、あごの状態をまず確認しましょう。

歯が折れている場合(歯の破折)

破折した部分のレントゲン

破折歯歯のケガで比較的多いのが歯の破折です。まず、出血があるかどうか、歯の内部組織(歯髄)が見えていないかを確認してください。出血があったり、歯髄が見えたりしている場合は、急いでかかりつけの歯医者さんを受診しましょう。

破折した歯を修復した状態

修復した破折歯出血などがない場合でも、ケガの衝撃によって、将来の歯並びなどに影響が出る可能性がありますから、かかりつけの歯医者さんの検査を受けましょう。また、折れている歯の破片がある場合には、治療に使える場合もありますので、受診時にもっていきましょう。

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歯が抜けてしまっている場合(歯の脱臼)

完全に歯が抜けてしまっている場合も、すぐに抜けた歯を探し、かかりつけの歯医者さんを受診しましょう。完全に抜けた歯を再び元に戻すこと(再植)ができる成功率が高いのは、再植の鍵となる歯の根っこ(歯根)の回りの歯根膜と呼ばれる組織が乾燥すると早く死滅してしまうため、およそ30分以内といわれています。
しかし、それ以上時間が経過していても、場合によっては、元に戻せる可能性がありますので、あきらめずに抜けた歯をもっていってください。完全に抜けていない場合でも、将来の歯並びなどに影響が出る可能性がありますので、かかりつけの歯医者さんに連絡し、検査を受けてください。冷静に対処することが何よりも大切です。

抜けた歯をもつときの注意

  1. 抜けた歯の上の部分をもつ
    抜けた歯の上の部分をもつ
  2. 牛乳に浸す
    乾燥させないように、牛乳ですすぎ、牛乳の中に浸してもっていきましょう。
    牛乳の代わりに生理的食塩水でも構いません。

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顔面のケガや唇、歯ぐきを切ってしまった場合

真っ先にケガをしやすい部分が顔面や唇、歯ぐきです。出血を伴うことも多いですが、歯医者さんで感染を防ぎ、適切な処置をすれば、将来大きな問題もなく治る場合が多いです。
むしろ、同時に歯そのものをケガしていることが多いため、歯が折れていないか、抜けていないかを冷静に判断し、すぐにかかりつけの歯医者さんで検査をしてもらうことが大切です。

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歯が埋まってしまっている場合(歯の陥入)やあごの骨折(顎骨骨折)

転倒や交通事故で顔面やあごを強打したときに歯が埋まってしまったり、あごの骨を折ってしまったりすることがあります。このように歯が埋まってしまっている場合、歯を支えている組織(歯槽骨)や歯ぐきなどに損傷を伴うことがほとんどです。また、あごの骨折の場合は歯の咬み合わせへの影響し、顔の変形などを伴うことが多いので、すぐにかかりつけの歯医者さん、または口腔外科で診察を受けてください。

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乳歯のケガ

よちよち歩きのお子さんや小学校に入る前のお子さんが転倒などで歯のケガをした場合、比較的多いのが乳歯の変色です。ケガをして数週間経ってから、乳歯が変色してしまっていることに気付いて驚かれるケースがよくあります。乳歯の変色はそのまま放っておいても治ることがありますが、乳歯への衝撃によって、その下で生え代わるのを待っている永久歯が変形し、乳歯から生え代わらなかったり、歯並びに影響を与えたりする場合があります。
乳歯をケガしてしまったら、すぐにかかりつけの歯医者さんを受診し、そのあとも定期的に検診を受けることが望ましいでしょう。

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スポーツ活動で歯のケガをしないために

高校生にもっとも多いスポーツによる歯のケガ

小さいお子さんの場合は、お母さんが歯のケガをさせないように目を配っておくことも必要です。また、小さいころから、お子さんに対して歯や口、顔面を守るという意識をもたせることが歯のケガの予防につながります。
しかし、お母さんの目の届かない学校内での体育授業や部活動などのスポーツ活動では、お子さん自身が、いくら注意していても突発的なアクシデントで歯のケガをしてしまうことが多くあります。特に高校生ともなるとスポーツでの接触が激しいものとなり、重傷の歯のケガが多くなっています。

参考:独立行政法人日本スポーツ振興センター発行

「学校の管理下の死亡・障害事例と事故防止の留意点<平成20年版>」より図版作成

高校生の歯のケガ

※歯のケガ(図中の「歯牙障害」)で障害見舞金を受けた件数が、中学生では150件以上、高校生では300件弱と、高校生のほうが多い結果になっています。

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スポーツ活動による歯のケガを予防するには?

スポーツ活動による歯のケガを予防するために、「マウスガード」と呼ばれる口の中を保護する器具があります。
マウスガードは、歯のケガを防ぐ効果があるほか、口の周りのケガや脳しんとうの予防にも効果があるといわれています。昔からボクシングでは使われていますが、サッカーやバスケットボール、ラグビーなど激しくぶつかり合うスポーツ競技などでも、歯のケガを防止するのに有効です。特に高校生ラグビーでは2006年に義務化されるなど、一部の競技でマウスガードの装着が義務化されつつあります。

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マウスガードの種類

マウスガードには、さまざまなタイプがあります。スポーツ店などで市販されているものには、マウスフォームドタイプがあり、歯科医院で作製されるものとしてカスタムタイプがあります。
マウスフォームドタイプは、形状記憶の材料を使い、自分で作製することができるのが特徴です。

マウスガード

マウスガード

しかし、カスタムタイプに比べ、発音障害や嘔吐感、ズレなどの違和感が出ることがあります。カスタムタイプは、歯科医師に診察と型取りをしてもらい作製するタイプです。カスタムタイプのほうが違和感も少なく優れていますが、保険診療外のため多少費用がかかります。近年ではマウスガードの作製や歯の外傷を「スポーツ歯科」として診療している医療機関もありますので、そうした歯科医院や口腔外科に相談してみるとよいでしょう。

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マウスガードの活用と安全にスポーツをする意識が歯を守る

スポーツ活動は本来、健康的な身体を楽しくつくるためにするものです。しかし、スポーツ活動のアクシデントで歯のケガをしてしまえば意味がありません。スポーツ活動で歯のケガをしないためには、マウスガードの活用だけでなく、スポーツ活動をするときの安全意識を持つことも大切です。
たとえば、他人を思いやる意識やルールを守る意識が安全につながります。また、お子さんに対して突発的なアクシデントが起きたとき、普段から自分自身で能動的に歯のケガを防ごうという習慣や態度をもたせることも大切なのです。